日本で1970年代後半から80年代に流行したシティポップが再評価され、シティポップ再燃と世界中で鳴り響いています。当時FM雑誌を片手にエアチェックしていた世代の方は、シティポップ再燃と耳にし、またあの曲を聞きたい!と思っているのではないでしょうか。
今、かつて日常的に聴いていたサウンドが、世界標準の洗練された音楽として評価されているのです。現在は、CDはもちろんSpotifyやアップルミュージックなど音楽ストリーミングサービスで聴ける曲もあります。
この記事では再び聞きたい代表的な名曲を紹介し、おすすめの視聴方法も解説。シティポップ再燃の背景までをご紹介していきます。
世界が発見した日本のシティポップ再燃
日本のシティポップの再燃は、2017年以降海外で人気が出たのがきっかけです。なぜ人気が出たのか、きっかけや理由をチェックしてみましょう。
YouTubeやSNSとストリーミングが生んだムーブメント
シティポップが海外で人気になったのは、2017年頃、YouTubeのアルゴリズムで竹内まりやの「Plastic Love」が海外ユーザーにおすすめ表示されたのがきっかけです。その後、松原みきの「真夜中のドアStay With Me」がTikTokで拡散されたことも、シティポップ人気を後押ししました。
そのことから海外の流行から再輸入したような流れで、日本でも再びシティポップが注目されるようになったのです。最近のシティポップ動向を見ると、2025年も人気は継続しています。特に、YouTubeだけでなく音楽ストリーミングサービスによって手軽に聴けるようになったのも人気が続く理由です。
さらに一度は低迷したアナログレコード人気が復活。シティポップもレコードプレーヤーで聴く人も増えています。
海外リスナーがシティポップに熱狂する理由
海外リスナーが日本のシティポップに熱狂する理由は、さまざまです。まず挙げられるのが、歌詞の意味はよくわからなくてもメロディとリズムがキャッチーであること。むしろ歌詞の意味を考えなくてすむので、BGMとしても聴きやすいのも理由でしょう。
シティポップは、AOR「Adult-Oriented Rock(アダルト・オリエンテッド・ロック)」の影響を受けているので海外リスナーにも響きます。さらに高いクオリティのアレンジも人気の秘密です。今聴いても古さを感じることがなく、むしろ新鮮に聴こえるのかもしれません。
音だけでなく、レコードのジャケットデザインもちょっとレトロでありながら都会的である点が、海外の若者の心を惹きつけたのです。日本の若者にとっても新鮮であり、シニア世代にとっては懐かしさがこみ上げるデザインだといえます。
シティポップの特徴と当時の状況

シティポップのアーティストたちの音楽は、当時から高度な音楽性を持っていました。山下達郎、竹内まりや、大貫妙子、松原みき、角松敏生などの楽曲は、洗練されたサウンドだったといえます。
AORの影響を受けた洗練されたサウンド
シティポップの代表作は、AORの影響を色濃く受けています。当時の日本は高度経済成長を遂げ、都市部では新しいライフスタイルや消費文化が花開いていました。シティポップは、まさに時代の空気感を音楽で表現したものといえます。
洗練されたアレンジやメロディ、そして都会的な歌詞が特徴です。平日は都心で朝まで遊び、オフには湘南でサーフィンするという若い人たちのライフスタイルが構築されていきました。シティポップを聞くと当時のことを思い出す人も多いのではないでしょうか。
音にこだわった時代だからこその曲
シティポップが生まれた1970年から1980年は、豊かな時代でありレコーディングにお金をかけられたのも理由です。音にこだわりを持つミュージシャンや音楽制作者が集まって、レコーディングをしていました。そして「生ピアノとシンセサイザー」など音を重ねる、エフェクトをかけるといった技術を駆使して曲を作り上げていったのです。
今では、音を重ねたりエフェクトをかけたりといった技術はパソコン上で行っています。音のこだわり方も、現在に通じるものがあるといえるでしょう。
シティポップの普遍的な魅力
1970年代後半から80年代の音楽も、プロフェッショナルによる緻密な作り込みがなされていました。当時のサウンドは豊かな経済力を背景に、最高のミュージシャンと技術を結集して作られたものなのです。
だからこそ時代と国境を越えて、その魅力が世界中で再発見されているといえるでしょう。シティポップの定義は、一般的には洋楽志向の都会的で洗練された雰囲気を持つポピュラー音楽全般を指します。夏の海辺や夜のハイウェイといった、当時の風景が浮かぶような心地よいサウンドが共通の特徴です。
シティポップ再燃の代表作と名曲セレクション
シティポップ名曲を改めて聴き直すと、新たな発見があります。ここでは時代を超えて愛される代表的な楽曲を紹介します。久しぶりに聴きたい曲ばかりです。
永遠の定番「RIDE ON TIME」「Plastic Love」「君は天然色」
山下達郎の「RIDE ON TIME」(1980年)は、疾走感あふれるサウンドと洗練されたアレンジが魅力です。
竹内まりやの「Plastic Love」(1984年)は、海外でもよく知られていて特に人気のシティポップ名曲の一つとなりました。
大滝詠一の「君は天然色」(1981年)は、80年代を代表するシティポップの金字塔的な存在です。2023年に放送された「NHKあさイチ」では「懐かしシティポップランキング」では、視聴者からのリクエストを募りました。その結果この曲が1位を獲得したのです。
ちなみに2位が寺尾聡の「ルビーの指輪」、3位は稲垣潤一の「ドラマティック・レイン」となっています。
「RIDE ON TIME」「Plastic Love」「君は天然色」などの楽曲は、シティポップというジャンルを語る上で外すことのできない大名曲です。
シティポップ再燃の名曲と再評価曲
また、上記以外にも改めて聞きたい曲があります。
たとえば松原みきの「真夜中のドア Stay With Me」(1979年)。弾むようなサウンドと彼女の声がとてもすてきな作品です。
ジャジーであかぬけたメロディラインとアレンジになっています。ご本人が亡くなっているため、二度と生では聴くことができないのが残念です。
大貫妙子が作詞作曲を手掛け、坂本龍一がアレンジした「4:00 A.M.」(1978年)は、美しいメロディとムードが今再び評価されています。
角松敏生「MIDNIGHT GIRL」(1983年)のグルーブ感が今も高い人気を誇ります。山下達郎「SPARKLE」(1980年)もシティポップを代表する名曲だといえるでしょう。
シティポップ再燃で、今また注目されている曲は?
最近の人気曲としては、寺尾聰の「ルビーの指環」(1981年)が挙げられます。メロウなサウンドとフォークポップ的な音楽性が魅力的です。
さらに杏里の「CAT’S EYE」(1983年)は、爽やかなメロディとリズムが、夏の解放感や恋のときめきを感じさせる曲として人気があります。
さらに稲垣潤一「夏のクラクション」(1983年)は、「ドラマティック・レイン」(1982年)とともに根強い人気の楽曲です。
杉山清貴とオメガトライブの「ふたりの夏物語 NEVER ENDING SUMMER」(1985年)は航空会社のCMソングとしてヒットした曲。疾走感と清涼感に満ちたバンドサウンドは、今も色あせず人気が高まっています。
FM誌世代のための、おすすめリスニングスタイル
レコード、カセットテープからCD、そしてストリーミングへの進化は目覚ましいものがあります。音楽ストリーミングサービスの高音質再生により、当時のアナログ感と現代の高音質が融合する新しい体験が可能になりました。手持ちのスマホやパソコンで手軽に聴ける点は大きなメリットです。
プレイリスト文化が生む新しい楽しみ
自分だけのシティポップ・コレクションを音楽ストリーミングサービス(サブスク音楽配信サービス)で作る楽しみは、かつてのエアチェックとは違った魅力があります。シティポップ最近の聴き方として、自分だけのプレイリスト文化が定着しているのです。
好きな曲を自由に並べ替えたり、気分に合わせて曲を選んだりすることで、自分だけの音楽体験を作り出せます。有料会員ならダウンロードしてオフラインでも曲が聴けるのもポイントです。
シティポップの代表作から隠れた名曲まで、幅広い楽曲をすぐに聴ける環境が整っているといえるでしょう。
音楽配信サービスの代表的なプラットホームについて、特徴を簡単に紹介します。
Spotify公式サイト
- 無料でも聞ける。ただし曲の間に広告が入り、曲を飛ばすスキップ機能にも制限がある。
- プレミアム会員になると、広告がなくなりオフラインで視聴可能。曲順も好みで変えられる。
Apple Music 公式サイト- Webプレイヤー
- 1ヶ月の無料体験あり
- Apple製品を使っていればクラウド経由で視聴可能
- アンドロイドでもアップルミュージックアプリが入手できる
- 自分のプレイリスト作成可能
- プライム会員ならAmazon Music Primeを追加料金なしで利用できる。
- ただし基本シャッフル再生なので、曲を飛ばすスキップに制限がある
- プレイリストが作れない場合も(一部はオンデマンド可能)。
- Amazon Music Unlimited(有料)に登録すると自分のプレイリストが作成できる。スキップも制限なし。HD音質にグレードアップ。
山下達郎など、サブスクで聴けないアーティストもいる
注意点もあります。すべてのシティポップ名曲がサブスクで聴けるわけではないということ。山下達郎は、音質へのこだわりから、サブスク配信に消極的な姿勢を貫いています。例外的にクリスマス・イブだけはApple MusicとAmazon Musicで配信されていますが、2022年のインタビューで「サブスクはやらない」と語っています。そのため、サブスクで聴くのは困難です。
「RIDE ON TIME」や「SPARKLE」など、他の代表作はCDやアナログレコードでしか聴けません。音質を重視する山下達郎の姿勢は、むしろシティポップの本質である音へのこだわりを象徴しているともいえます。
CDは販売されているので、持っていない方は購入して聞いてみてはいかがでしょうか。最近はレコードの良さも見直されています。あえて、レコードプレーヤーで聴くのもおすすめですよ。
シティポップ再燃は今の時代が求めるサウンド

コロナ禍以降のデジタル疲れや非日常への渇望が、シティポップ再人気の背景にあります。さらに、若者にとって、シティポップは新しい音楽なのです。
デジタル疲れした世代が求めるアナログ感
デジタル疲れした世代が求めるアナログ感が、シティポップに注目が集まる理由の一つです。
ハイレゾなど高解像度の音はクリアで気持ちいいものの、よく聴こえすぎてストレスになる人もいます。デジタルの音に疲れた人がアナログの音で癒されるといった状況も、シティポップの再燃に関係しているといえるでしょう。
コロナ禍でずっと家にこもっていたアメリカ人がたまたま日本の80年代のシティポップを聞いて、たちまちファンになったというエピソードもあります。シニア世代はもちろん、若者にとっても、クリアでない音が却って魅力的に聴こえるのではないでしょうか。
Z世代など若者にとっては新鮮なシティポップ再燃
Z世代などの若者にとって、シティポップは新鮮に映ります。彼らが生まれる前の音楽が、今の時代に新しさとして受け入れられているのです。
シティポップの代表作は、彼らにとって未知の宝物であり、探求する価値のある音楽だといえます。さらに当時のライフスタイルは、若者にはなかなか想像がつかないものです。スマホも持たずに楽しんでいた世代のライフスタイルも併せて、シティポップに惹かれるのでしょう。
親子でシティポップを楽しむことで、共通の話題も生まれそうですね。
世界中の若者を魅了しているシティポップ再燃
1970年代後半から80年代に夢中になって聞いたシティポップが、世界中の若者を魅了しています。
AORの影響を受けたシティポップは、言葉を超えて人々に愛されているのです。それは単なるレトロ趣味ではなく、時代を超えた普遍的な美しさの証明です。
シティポップの代表作や名曲を、サブスクサービスを利用して高音質で聴き直してみてはいかがでしょうか。当時の記憶がよみがえってくるはずです。またCDやレコードでしか聴けない山下達郎の楽曲だからこそ、今聴くと新たな発見や感動が味わえるでしょう。
参考文献・サイト
・竹内まりや、松原みき…昭和の「シティポップ」がなぜ今、海外でブームなのか | News&Analysis | ダイヤモンド・オンライン
https://diamond.jp/articles/-/353846
・米国のアニメファンにも日本の80年代シティポップが大人気!? :日経クロストレンド
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01221/00006/
・「あさイチ」のシティポップ特集「当時はニューミュージック」に昭和世代合点 リクエスト1位は「君は天然色」
https://www.iza.ne.jp/article/20230227-YT7XGTOAWJFWVAJRPKWMZ23A3U/
・アナログディスク 生産数量・金額推移 | 一般社団法人 日本レコード協会 (RIAJ)
https://www.riaj.or.jp/data/annual/trends/anlg/



